SAP S/4HANAでグループ会計基盤を構築するメリット 

複数のグループ会社をもつグループ企業では、急速な企業成長や事業拡大に対して、グループ全体で迅速かつ的確な経営判断を行うことが必要です。
そのためには、管理業務の生産性向上を下支えすることができるグループ会計基盤を構築することが重要です。
グループ企業の会計システムの課題に対し、グループ会計基盤をSAP S/4HANAで構築することで、以下のように解決することができます。

グループ企業の会計システムの課題

全社連結が複雑で、経営管理数値を迅速かつ正確に把握できない・・・・
❓ 各社ごとに業務プロセス、勘定科目・組織・取引先などのマスタコード体系が異なる
❓ 各社ごとに会計システムが異なる
❓ システムの経年劣化

➡SAP S/4HANAによる解決策

SAP S/4HANAは一つのシステム環境に複数会社を設定することが可能です。
✅ グループ企業戦略成長に合わせて、新規会社設立時のシステムを柔軟かつ容易に拡張できる
✅ 一つのシステム環境に対し、まとめて変更適用できる
✅ クラウド環境で利用できる

(1)グループ会計業務プロセスの標準化による業務効率の向上
先ず本社の業務プロセスを見直して、SAP S/4HANAの標準機能の使用を推進して導入。
本社の安定稼働後には、業務プロセス、マスタコード体系(勘定科目・組織・取引先など)、各種オペレーションをグループ会社に展開。
経理業務が統一されるので、グループ全体の経理業務の効率化、集計の容易化につながります。

(2)企業戦略・成長に合わせてシステム基盤を柔軟に拡張
新規の会社設立時に、各種マスタやパラメータ設定、追加開発など、システムを一から構築する必要はありません。
先行利用会社の設定をコピーし、会社名称や住所等の少しの設定変更で利用開始できます。
また、業務統制や内部統制の強化、法改正など、企業存続において不可欠なシステム変更についても、迅速かつ柔軟に対応可能です。

(3)クラウドERPによるシステム運用負荷の軽減
IT部門はシステム運用負担から開放され、業務部門はシステムのレスポンスなどを気にすることなく業務に集中できます。
SAP ERPはメインフレーム上で動作するシステムとして1972年に誕生後、絶え間ない進化を続けていますが、2021年にSaaS型ERPとして「RISE with SAP S/4HANA Cloud」がリリースされました。
ハードウエア・OS・データベース・アプリケーションなど基本動作環境がすべてセットされた上、各種サービスもバンドルされた提供形態で、バージョンアップ・メンテナンス・システム拡張対応時の効率化につながります。

➡SAP Analytics Cloudによる解決策

SAP S/4HANAや他システムのマスタとトランザクションデータをSAP Analytics Cloudへ連携することで、分析したいレポートやKPIを作成することが可能です。
✅ 複数のデータソースを事業・組織・顧客などの様々な切り口でレポーティングすることできる
✅ 入力された予実の数値はリアルタイムに集計され即時に確認することができる
✅ 予算の数値について、統計解析による時系列予測で制度の高い見通しを効率良く実施できる

一元管理された情報分析による経営意思決定やアクション早期化の実現
グループ会社の規模によりSAP S/4HANA導入はコストパフォーマンスに合わないと判断の場合、個別システムからコード変換されたデータをSAP Analytics Cloudにファイル連携します。
一元管理された情報で分析することで、経営意思決定やアクション早期化につながります。

SAP S/4HANAグループ会計基盤構築

SAP S/4HANAの財務会計と管理会計

SAP S/4HANAの会計領域は財務会計と管理会計に同一のソースデータ(1Fact 1Place)を使用しその結果を相互に活用するので、常に整合性がとられ一元管理されます。
財務会計の会計伝票明細には多くの項目(約300項目)が用意されており、独自の項目追加も可能です。
伝票に必要な情報を入力すると統合会計元帳にリアルタイムに更新され、いつでも多次元での分析を行うことができます。
また、レポート上に表示される情報から発生元となる伝票にドリルダウンや他システムへのトレサービリティができ、伝票照合に掛かる労力を削減して経理業務の効率化と内部統制に有効です。
管理会計の収益性分析では、製品・事業・顧客など様々な切り口の実績データを各取引データから自動収集し、全社で多次元的に分析することが可能で、経営の意思決定に有益な数値情報をタイムリーに把握できます。


SAP ERPとは

ERPとは、会計・購買・販売・人事など、組織の基幹業務を統合的に管理する事により、組織の全体最適を図るという経営の概念で、組織全体の効率化を最大にするための考え方です。
SAPは、このERPの考え方を実現したソリューションです。
SAP ERPは、統合化されたデータベースの中に、すべての業務の情報がリアルタイムに蓄積され一元的に統合管理されます。
よって、常に整合性が担保された、最新の情報を得ることができ、経営状況を可視化します。
また、SAP ERPは、全世界の6万社を超えるSAPユーザーの業務運用ノウハウを標準機能として実装しており、各業種、各業務に適した標準的な業務プロセスが定義されています。
業務に必要な機能を、スイッチのオンオフで取捨選択や組み合わせることで、あるべき業務プロセスを効率的に構築することが可能です。
個別開発を最小限に抑えることで、バージョンアップ・メンテナンス・システム拡張などの対応効率化につながります。


クレスコ・イー・ソリューションはSAPセールスパートナーとして、SAP S/4HANAをコアに、end to endのシームレスなプロセスが提供されるSAPソリューションを、ライセンス販売から導入コンサルティング・開発・保守までトータルサービスをご提供しており、特に、中堅・成長企業のお客様をご支援していますので、どうぞお気軽にご相談ください。


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