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シリコンバレーで開催した世界最大級IoT・AIイベント「IoT・AI Tech EXPO」のレポート ~John Deere社の事例~

こんにちは、シリコンバレーのITやデザイン思考(デザインシンキング)について情報発信をしている、ヒューマンセントリックデザインセンター(HCD)の方です。

前回発信させて頂いたUber社の事例はご覧頂きましたか。今回はJohn Deere社の事例についてお話させて頂きます。

キーワード:【John Deere】【農業】【IoT】【AI】

John Deere社は1837年に創業、60,000人以上の従業員がいるアメリカの重機械メーカーです。
メイン事業は農業用と建設用の機械製造です。
長年好業績の中、自らデジタルトランスフォーメーションへの変革をもたらしました。
2000年頃から、自社製品にソフトウェアとセンサーを組み込みました。

今回のイベントで、講演してくれたのはJohn Deere社のインテリジェントソリューショングループ部長Doug Sauder氏でした。
テーマは「IoT in Agriculture: Growing Tomorrow’s Intelligence from Today’s Technology」です。

Doug Sauder氏によりますと、昔の農業時代、農業機械メーカーが追求した目標は、作業が早く、丈夫な機械を農家に提供できることでした。
一方で、その目標を達成するには、機械が大きくなり、その分運送し難く、扱い難くなりました。

その後、時代の変化に伴って、農業機械メーカーの目標も変わりました。
今の目標はハイレベルな自動化、操作の容易性と作業の精密性です(Automated, Easy to Use, More Precise)。

世界の人口は増え続けるが、労働力は不足し、農業用の土地は減少し、気候変動がもたらす問題がより深刻になっている状況の中、John Deere社はより大きな挑戦をする必要があると感じました。

現在、John Deere社は1つの機械にセンサー、コミュニケーションソフトウェア、リアルタイムデータ収集、GPS、デジタルツールの搭載で、下記の2つのソリューションを市場に提供しています。

1つは、農業機械同士がリアルタイムで通信し、情報を連携します。
これで、特にいびつな土地で種まきをする時、重複作業と作業漏れの問題が解決されました。
作業済みの土地に対して、ほかの機械は作業しないよう指示があり、未作業の土地にのみ種まきの作業をするよう指示があります。
このように正確な作業を行えるようになったため、種と土地両方の無駄遣いを避け、過去に比べ、18%の種が節約されるようになりました。
この技術は肥料を施す時にも活用されています。(Make every seed count)

もう1つは、画像分析と精査技術で、穀物を刈り入れながら品質の悪い穀物を取り除くことが実現できています。
管理員(農家)は自分の端末から精査の過程を監視・コントロールできます。
各エリアで刈り入れた穀物、そのエリアの水と土地の特性など情報も同時に記録されます。
昔のような人間の経験に依存していた農業技術に比べ、最近の技術(データ収集、分析、予測技術など)でよりよい判断を行えるようになっています。

IoT・AIの時代は、機械が人間の代わりに作業ができるだけではなく、将来にとって大事なデータを収集、分析、活用することを実現します。
「Better Data-> Better Decisions-> Better Outcomes」とのことです。

Doug氏が言ったように、農業の将来は、センサー、データ、接続性、AIとロボティクス技術により作られます。
John Deere社は、農業機械メーカーから「農場全体を管理する」会社に転換し、よりスマートな製品とサービスを市場に提供しています。

このイベントに出展している企業は多くの製品と事例を出しています。

ソフトウェア・プラットフォーム系、ハードウェア・センサー系とデータ分析・インテリジェンス系全てのソリューションにIoTが関連し、IoTから取得するデータが土台(基礎)となり、そのデータがAIの鍵とのことでした。

如何でしょうか。Uber社とJohn Deere社の事例がご参考になれればと思います。
また面白い事例を記事で共有させて頂きたいと思います。ぜひ、引き続きご覧ください。

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