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シリコンバレーで開催した世界最大級IoT・AIイベント「IoT・AI Tech EXPO」のレポート ~Uber社の事例~

こんにちは、シリコンバレーのITやデザイン思考(デザインシンキング)について情報発信をしている、ヒューマンセントリックデザインセンター(HCD)の方です。

今回は、世界最大級のIoT・AIイベント「IoT・AI Tech EXPO」のお話をさせて頂きます。

このイベントは2018年11月末にシリコンバレーの中心都市サンタクララで2日間行われ、幅広い業界から(製造、サプライチェン、保険、ロジスティクス、政府、エネルギー)最新のIoT・AIにおけるイノベーションが発表されました。
13,000人以上の参加者が来場する、かなり大きいイベントです。

私はこの2日間でいくつかのプレゼンテーションとパネルディスカッションに参加し、その中でも、特に印象に残った企業があります。
1つは皆さんによく知られているUber社。
もう1つは農業機械・建設機械メーカーJohn Deere社。
この2つの会社の事例を2回に渡り、共有します。
今回はUberについてです。

キーワード:【Uber】【交通】【IoT】【AI】【新事業】

Uberからのプレゼンテーションテーマは「A shared Future of Uber Mobility powered by Connectivity」です。

テーマにある「Uber Mobility」と「Connectivity」という二つの言葉が気になりました。
Uberと言えば、ライドシェア、配車サービスで有名ですが、Uberモビリティ?なんでだろう?と思いました。
プレゼンターの話を聞いたら、いまUberが提供している移動手段は、普通の車から、専門性がある介護車、短距離間に移動しやすい自転車や電動自転車、オートバイ、船、長距離運送トラックまであることが分かりました。
また、人を運ぶという事業だけではなく、Uber Eatsという食を運ぶ事業もしています。
これはユーザがレストランへ食事を頼むと、レストランからUberの移動手段を使ってユーザの元へ食事が運ばれます。
これらのトランザクションから作られる様々な種類の移動情報や食情報(注文履歴)は、すべてUberプラットフォームに集約、結び付けられます(=Connectivity:接続性)。

このUberプラットフォームに集約されたデータを分析、予測することで、ユーザにとって一番効率が良く、コストが低い、便利な移動ルートソリューションを提供します。
ただし、自然への環境を考えた移動ルート、例えば、交通渋滞が激しい地域では、車ではなく自転車を推奨し、車を控えたユーザには値引きをするということも提案されます。
例えば、Uber Eatsの場合、Uberプラットフォームを中心として、マシンラーニングでユーザの過去の注文履歴に基づいて、食の好みを分析、予測し、ユーザに推薦します。
ユーザが食事を決めたら、Uberプラットフォームはレストランに発信し、レストランが食事を用意できたら、Uberの運転手がユーザまで食事を運びます。
Uberは「人を運ぶ」から、「食べ物を運ぶ」Uber Eatsサービスを作り、更に長距離間に「荷物を運ぶ」Uber Freightサービスを生み出し、ビジネスを拡大しています。

このようにUberは、タクシー業界の常識(専業タクシー、移動距離と乗車時間による運賃)からライドシェア(車所有者と乗客のマッチング、目的地への固定運賃)へ、ライドシェアから運送と物流への参入、ライドシェアサービスからロジスティクスプラットフォームへの転換を行っています。
これらUberの事例は、Uberが業界のルールを変えているチェンジプレイヤーとして注目を浴びています。

次回は、John Deere社の事例についての話をさせていただきます。

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