情報発信

Amazon BooksとAmazon Goでの体験と感想

皆さん、こんにちは、シリコンバレーのITやデザイン思考(デザインシンキング)について情報発信をしている、ヒューマンセントリックデザインセンター(HCD)の方です。

「シリコンバレー代表企業Amazonのビジネススコープ」について2019年3月と4月の2回にわたり、Amazonの沿革とビジネスエリアへの進出Appleタブレットとの販売戦略の違いやGoogleとの競合性についてお話しましたが、少し抽象的だったと思います。
今回は、実際に行ってきたAmazon BooksとAmazon Goの実店舗について、体験と感想のお話をさせて頂きます。

Amazon Booksは名前の通り、Amazonで売られている本やグッズの実店舗で、まだアメリア国内でしか展開されていません。
ホームページの公開した情報によると、2019年8月現在までにはアメリカ国内19か所にあります。
私が行ってきたのは、シリコンバレーの都市サンノゼにある店です。
Amazonの大きな特徴は、インターネットでの販売であり、実店舗を持たないことだったにも関わらず、あえて、実店舗を作ったのはなぜだろうということを知りたいと思いながら、見学をしに行きました。

Amazon Books

まず、Amazon Booksに着き店内を回ると、下記に気付きました。
棚にあるすべての本は側面ではなく、表紙を正面に向けています。
本の名前、テーマ、サブテーマ、キーワードや挿絵があるため非常に印象に残り、一目で自分の興味があるかどうか素早く判断できます。
見落としや同じようなタイトルの本と何度も確認することがほぼ無いので、とても探しやすいです。

そして、正面陳列なので、側面陳列よりも使えるスペースが限られています。
どのような本が選定され、ここに陳列されているのかを店員に聞いてみると、Amazonサイトのカスタマーレビューが平均4つ星以上の売れ筋の商品しか店に出していません。
常にウェブサイトの最新レビュー結果とシンクロナイズし、週1回各カテゴリの新しい売れ筋商品を入れ替えています。
つまりウェブサイトの販売実績データを実店舗に活用しています。
それぞれの本が獲得したレビューの数と星数は、その下にある商品説明用カードに書いています。
来店するお客さんにとって良い参考となります。

Amazon Books店内

でも、すぐ気づいたのは、こんなにお客さんにフレンドリーな陳列デザインなのに、本の値段は書いてありません!
それは書き忘れたことではないでしょう??
もしくはこの店がただの展示用店なの??
レジのところをみると、皆さんが実際に本を買っていますね。
店員さんに聞いたら、値段表示しないのもこの店の特徴です。
各コーナーに本のバーコードをスキャンして値段を表示する機器があります。
お客さんが自分のAmazonアプリを使ってスキャンしても値段が分かります。

店に値段が表示されていない、この仕組みは3つの理由があります。

1つ目は、本の値段は変動するので、実店舗の値段は常にウェブサイトの値段を反映するようにしています。
2つ目は、スキャン機器とAmazonアプリにより、来店したお客さんのスキャンデータを収集しています。どの本に何人ぐらいのお客さんが興味を持っているかなど。
3つ目は、スキャンすると、定価とAmazon Primeメンバーシップの値段が出てきて、メンバーは20%~30%割引になるので、Primeメンバーシップをプロモーションする手段ではないかと思います。

バーコードスキャン

来店のお客さんは、陳列されている本を読み、少し興味が湧き、さらにレビューを参考にし、購買意欲が湧いてきます。
その後は、スキャンをし、ウェブサイトの情報を調べられるというオフラインとオンラインのシームレス体験です。
これはAmazonと他の実店舗との大きな違いでしょう。
20年ほど溜ったオンラインデータを十分にオフライン実店舗に活かしています。

さらに、Amazon Goでは、もっとこのシームレス体験を極めています。
Amazon Goとは、究極の無人コンビニエンスストアです。
Amazon Goへ行くと、入場ゲートに自分の携帯アプリ(Amazon Go)のバーコードをタッチして入場します。
欲しい商品を手に取り、そのまま出口のゲートを出るだけです。支払いなどは要りません。
少し時間が経った後、Amazon Goから請求伝票が届きます。
なぜ、それが実現出来るかというと、天井に沢山の動作カメラが付いているので、お客さんが店に入ってから出るまで、すべての動きがカメラの画像処理にて分析されていることから、キャッシュレス、ノーレジ、チェックアウトフリーでの買い物体験が実現できています。
プライバシー保護のために、お客さんの顔をぼかす処理を行っていると聞きました。

Amazon Goゲート

Amazon Goはサンフランシスコ市内にあります。
皆さんはもしアメリカ西海岸にいらっしゃいましたら、是非Amazon GoとサンノゼにあるAmazon Booksに行ってみてください!

最後に、もし皆様からフィードバック、感想、もっと知りたいトピックなどございましたら、ぜひお気軽に弊社HCD宛て「hcd@cresco-es.co.jp」にご連絡お願いいたします。

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