導入事例
導入事例
住友精化は、経理業務の生産性向上を見据え、利用中のクラウド請求書管理システム「Concur Invoice」の活用と高度化に向けて請求書の処理に特化したクラウドサービス「Remota」に着目した。請求書の確認作業の負荷の軽減や手入力に起因する転記ミスの抑制に加え、業務運用全体の見直しと高度化にもつなげたい。そうした狙いのもと、クレスコ・イー・ソリューションが伴走型で支援。現場の声を丁寧に拾い上げながら、Concur InvoiceとRemotaを組み合わせた請求処理業務の運用整備と定着を支援した。
設立: 1944年7月20日
資本金: 9,742百万円 ※2026年3月31日現在
売上高: 148,354百万円(連結)79,969百万円(単体)(2025年度)
従業員数: 1,438名(連結)1,038名(単体) ※2026年3月31日現在
事業内容: 吸水性樹脂事業、機能マテリアル事業
❓ 現場における手入力に起因する転記ミスによる差し戻しの発生
❓ 経理部門における請求書処理の確認作業の負担
❓ 各地区における属人化した運用ルールの見直し余地
✅ 高精度なAI-OCRにより金額などの請求書入力精度が向上し、経理業務の効率化を実現
✅ アラート機能により、入力ミスや二重払いなどのヒューマンエラーを抑制
✅ チェック機能により運用ルールのばらつきを抑え、継続的に運用改善を進める基盤を整備
住友精化は、1944年設立の化学メーカーだ。大阪を主たる拠点に据え、東京にも本社機能を展開する。吸水性樹脂事業と機能マテリアル事業を中核に事業を展開。国内外で幅広い事業基盤を築いてきた。正確性と安定性が求められる事業運営を支えるうえで、経理業務の整流化や入力品質の向上は、日々の業務基盤を下支えする重要なテーマの一つである。そうした中、同社では利用中の仕組みを活かしながら請求書処理のさらなる高度化を図るべく、Concur Invoiceを土台に、AI-OCRの高い読み取り精度を強みとするRemotaを組み合わせた運用の整備を進めた。
今回の取り組みの特徴は、すでに安定して稼働していた請求書業務の基盤を活かしつつ、入力負荷の軽減と確認業務の効率化を重ねていった点にある。業務改革推進部 担当リーダーの村上氏は「今回のRemotaの導入は、課題に対処するためというより、新たな機能を加えて業務をより効率化させたいという思いが一番でした」と話す。住友精化では、現状の業務を回しながらも、より精度高く、より負荷の少ない形へ進めていく余地があると捉え、その一手としてRemotaの導入を選択した。
導入後の運用では、請求書の取り込みやAI-OCRによる読み取り、入力内容の確認を主としてRemota側で行い、その後の承認や後続手続きはConcur Invoice側で進める構成が採られた。すなわち、利用中のConcur Invoiceが持つ承認フローや運用基盤を活かしながら、入力の柔軟性と効率性をRemotaで補完する形である。既存環境を土台にしつつ、前段の入力プロセスを磨き上げることで、全体の業務品質を底上げしようとしたわけだ。
この構成によって期待されたのは、申請者側の手入力の負荷軽減だけではない。入力段階の精度を高めることで、後工程における確認や差し戻し、修正対応の負荷まで抑えることに狙いがあった。
「OCRの精度が高そうだということに加え、Concur Invoiceと組み合わせることで、より業務を効率化できるのではないかと考えました」(村上氏)
また、業務改革推進部 主任の山本氏も「従来は金額などを手で入力していたので、そうした作業が積み重なることで申請者側にも経理側にも負担が生じていた」と振り返る。入力の起点を整えることが、全体最適につながると考えたのだ。実際の効果としてまず挙げられるのが、AI-OCRの読み取り精度の高さである。
「OCRの読み取り精度は非常に高いと感じています。定量的なデータはないのですが、金額の転記ミスによる差し戻しが減っているという声も聞いています」(山本氏)
金額などの後工程に影響の大きい項目の入力精度が高まったことで、差し戻しや再確認の発生を抑える方向に働いている。
加えて、実務上の使い勝手という点で評価されているのが、ハイパーペースト機能だ。これは過去の支払い実績や過去伝票の情報を参照しながら入力内容を補完する機能で、新規取引ではない継続的な支払いで特に有効性を発揮する。山本氏は「新規の支払いでなければ、同じような支払いが過去にあれば、ハイパーペーストでかなりカバーできます」と語った。OCRだけでは読み取りにくい非定型書類があっても、過去データを活かすことで実務上の入力を大きく支えられる点を評価している。
村上氏も、過去請求書の参照機能として優先順位を設定しながら自社の運用に合わせて調整できる点に着目。単なる読取機能にとどまらず、継続的な運用改善を支える仕組みとして期待を寄せている。
もっとも、新しい仕組みの導入は、機能の優位性だけで自然に定着するものではない。新機能を現場が無理なく受け入れられる形へ整えられるかが重要だ。住友精化でも、当初は「システムが二つになる」と不安や戸惑いの声が上がっていたという。
山本氏は「当初は現場に戸惑いもありましたが、説明不足だった点は丁寧に話し合い、少しずつ現場の理解を得ながら進めていきました」と振り返る。新しい仕組みを押しつけるのではなく、現場で出てきた意見を整理し、課題を可視化しながら運用へ落とし込んでいく。その姿勢が、今回のプロジェクトを支えた重要な要素であった。
さらに今回の取り組みがもたらした価値は、単なる効率化にとどまらない。業務運用のあり方そのものを見直し、継続的な改善を進める基盤の整備につながった点にもある。
新しい仕組みを導入する過程で、従来の業務の中に残っていた形骸化した作業を見直す契機にもなったという。システム導入は往々にして新機能の追加に意識が向きがちだが、住友精化ではむしろ、その過程で“今の業務に本当に必要なものは何か”を問い直したことに意義があった。
さらに、チェック機能の活用により確認観点のばらつきを抑え、部門ごとに属人化していた運用ルールの標準化を進められた点も大きな成果である。
こうした取り組みは、結果として経理業務のあり方そのものを見直し、持続的な高度化を支える基盤づくりにつながっている。入力を楽にするだけでなく、確認すべきポイントの明確化と不要な手間を減らし、業務全体をより自然な流れへ整えていくとともに、継続的な運用改善を推進する基盤の整備にも結びついたのである。
こうした定着と見直しを支えたのが、クレスコ・イー・ソリューションによる継続的な伴走支援だ。導入時の設定や説明にとどまらず、週次の定例会やメールでのやり取りを通じて、現場の声を拾い、必要に応じて調整を重ねていく体制が取られた。
村上氏は「クレスコ・イー・ソリューションさんは本当に親身になって、一つ一つの要望に丁寧かつクイックに対応していただきました」と話す。住友精化の要望をそのまま受け止めるだけでなく、製品側との橋渡し役として機能しながら、技術面と運用面の両面で支えていたことがうかがえる。
また、支援の価値は運用が始まった後にも継続していた点にある。村上氏は「導入後もずっとフォローしていただき、毎週定例しながら丁寧に伴走していただいています」と評価する。住友精化にとって今回の取り組みは、導入して終わりのプロジェクトではなく、実際の運用の中で磨き込みながら完成度を高めていく性格のものだ。そうした改善型のプロジェクトにおいて、相談しやすく、対応が早く、実務に寄り添った支援を受けられることは、安心して定着を進めるうえで大きな意味を持っている。
導入後の効果としては、OCR精度の向上による入力品質の改善に加え、二重払い防止アラートや支払期日の自動調整など、ヒューマンエラーを抑える仕組みも運用を支えている。
例えば、同一請求書が重複処理されていないかを確認するアラートは、二重払いの抑止に貢献。また、休日などを考慮し支払期日を自動調整する仕組みも、手作業による判断ミスの低減につながっているという。入力段階から確認段階までを通して、ミスを未然に防ぐ仕組みが少しずつ積み上がってきたのだ。
もっとも、住友精化が目指しているのは、単発の業務効率化ではない。ユーザーと経理部門の双方にとって無理のない形で運用を整え、「導入して良かった」と実感できる状態へ着実に近づけていくことだ。村上氏は「ユーザーにとっても経理部門にとっても、全員が『入れて良かった』と思える運用へと持っていきたいです」と語り、山本氏も「新しい機能がリリースされたら積極的に試していき、さらなる業務効率化につなげていきたい」と今後を見据える。
Concur Invoiceという請求書管理として堅牢な基盤を活かしながら、Remotaによって入力業務と確認業務を一段と洗練させていくだろう。
2年連続でコンカーのサービスパートナーランク最高位「プラチナパートナー」に認定