今回は、
Panayaアセスメントサービスとその後のプロジェクト実施時のキーポイントの一つとなる使用履歴情報(SAP Tr-cd:ST03N)の保存期間の延長方法について ご紹介します。
◆ Panayaにおける使用履歴(SAP Tr-cd:ST03N)の活用方法
Panayaアセスメントサービスでは「SAP S/4HANA移行」および「SAP ERP6.0(ECC6.0)標準保守延長のためのEhP適用」における影響分析を実施しますが、Panayaでは各影響要素(オブジェクト)が業務で使用されているかを判定する情報として、SAP ERP6.0(ECC6.0)本番機の使用履歴情報(SAP Tr-cd:ST03N)を参照します。
この使用履歴情報(SAP Tr-cd:ST03N)は、下図の通り、プロジェクトにおける改修やテストの範囲の絞り込みに活用できます。
◆ 使用履歴(SAP Tr-cd:ST03N)の保存期間
使用履歴情報(SAP Tr-cd:ST03N)の保存期間は、SAP標準の設定では2ヶ月間(一部の情報は3ヶ月間)ですが、保存期間を長期(12ヶ月間など)に変更することで、年次処理等の実行頻度の少ないオブジェクトに関する情報も収集でき、影響分析の精度が向上します。
今後アセスメントを予定されている方は、早めの変更をお薦めします。
◆ 使用履歴(SAP Tr-cd:ST03N)の保存期間を変更する方法
使用履歴(SAP Tr-cd:ST03N)の保存期間は以下の手順により変更できます。
なお、使用履歴の保存期間の延長により、データベースの使用量が増加します。
増加量はSAP ERP6.0(ECC6.0)の環境に依存するため、変更後はデータベースの容量監視を定期的に行うことをお薦めします。
(1)SAP Tr-cd:ST03Nを実行し、左側のツリーを展開することにより、保存期間設定を行う画面を表示します。
Collector and Performance DB(コレクタおよびパフォーマンスDB) ⇒ Performance Database(パフォーマンスデータベース) ⇒ Workload Collector Database(Workワークロードコレクタデータベース) ⇒Reorganization(再編成) ⇒Control(制御)をダブルクリック
(2)Panayaが参照する対象の使用履歴に関する設定項目は以下です。
現在の設定値を確認の上、必要に応じて設定値を任意の保存期間に変更し保存します。
例:年次処理の実行時期に合わせて数ヶ月の余裕をもった期間「13(ヶ月間)」など
◆ 使用履歴(SAP Tr-cd:ST03N)の保存期間変更後の確認方法
使用履歴(SAP Tr-cd:ST03N)の変更を行った場合、変更を行った翌月に、以下の手順にて保存期間が延びていることを確認できます。
(1)SAP Tr-cd:ST03Nを実行し、左側のツリーを展開することにより、使用履歴情報(Anaysis Views)を参照します。
Workload(ワークロード) ⇒ <インスタンス名> および Total(合計) ⇒ Month(月) ⇒ 過去月をダブルクリック
(2)Panayaが参照している項目は以下です。これらの項目が設定値に応じて残っていることを確認ください。
今回は、Panayaアセスメントサービスとその後のプロジェクト実施時のキーポイントの一つとなる使用履歴情報(SAP Tr-cd:ST03N)についてご紹介しました。
「SAP S/4HANA移行」および「SAP ERP6.0(ECC6.0)標準保守延長のためのEhP適用」をご検討中の方々への一助となれば幸いです。
Panayaアセスメントサービス(影響分析)は、SAP ERP を現状どのように使用されているかを紐解き、
「SAP S/4HANA移行」および「SAP ERP6.0(ECC6.0)標準保守延長のためのEhP適用」における
修正や変更要素を網羅的かつ高精度に分析を行った上で、プロジェクト実施のための概算見積をご提示します。
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