情報発信
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ワークフローを導入して業務の作業効率を上げたいとか、内部統制の対策のひとつとしてワークフローシステムを検討しているといったユーザさんがたくさんいらっしゃいます。当社はさまざまなソリューションによってお客様の課題を解決してきましたが、費用対効果という面で目に見える成果を上げているものとしてワークフローは上位に位置づけられます。そこで、ワークフローシステムを世間一般ではどのような手続きに導入しているのか、そのメリット、内部統制との絡みなど見ていきたいと思います。
『業務手続きの処理手順を規定し、各担当者の間を情報(データ)が円滑に流れるようにして1つの業務を連携し、全体の生産効率を高めること、その手続きを自動化すること』
改めて「仕事」なるものを振り返ってみましょう。多くの業務は、組織、あるいは個人の部分的な仕事を連携して成り立っています。多くの仕事は、顧客、上司、他部門などからの直接の依頼や、手続きで定められた間接的な依頼によって開始されます。そして、依頼された人は決められた社内手続きにそって、あるいは個人の判断で処理を行い、その結果を依頼者に返すか、もしくは別の人に更なる処理を依頼します。そうした仕事の依頼は、書類、口頭、電子メールといった情報を媒介にして行われます。このように情報を媒介にして連携する複数の作業(仕事の流れ)を”ワークフロー”といいます。一般的に企業内には大小含めて1500?3000のワークフローが存在するといわれています。
これらプロセスを見直すことで、業務のスピードアップ、ひいては顧客満足度の向上、企業価値の向上につながります。
申請して承認という簡易手続きだけでなく、一歩進めて、販売業務(マスタ登録や与信管理などを経て受注登録)、生産の工程管理、マスタ登録手続き などもワークフローで流れを規定できれば、生産性が劇的に向上する可能性を秘めています。
BPMとは、@IT用語辞典から引用すると、
『“ビジネスプロセス”に「分析」「設計」「実行」「モニタリング」「改善・再構築」というマネジメントサイクルを適応し、継続的なプロセス改善を遂行しようという経営・業務改善コンセプトのこと。IT用語としては、前述のコンセプトを実行するために複数の業務プロセスや業務システムを統合・制御・自動化し、業務フロー全体を最適化するための技術やツールをいう。』BPMは、業務や問題点の改善が主目的であって、業務プロセスを最適化したり変更したりできるモデリング機能、そのパフォーマンス測定、改善につなげるためのモニタリング機能を保有します。機能の一部にワークフロー機能を内包したより大きなコンセプトに位置づけられます。BPMもワークフローも、処理単位である箱をつないでフローにするという考え方は同じなのですが、ワークフローの箱=担当者作業レベルであり、BPMの箱はもっと上位の階層であるサービスを対象にしています。BPMは、業務プロセス、アプリケーションを構築する基盤という位置づけになりますね。
ひとつはスピードアップ。
システム化の為に業務を見直す。現状の冗長な手続きを見直し、必要のない無駄な手続きの廃止、統合を行い、責任の所在を明確にすることから始まります。この”業務の見直し”こそが、真の業務の効率化をもたらします。その結果、スピードアップという一言では片づけられないたくさんの効果をもたらすことに至ります。顧客満足の向上の面でいえば、迅速に製品を市場に送ることができる、短い時間で顧客の要求に応えることができる、すなわち今の世の中、競争力を決めるものとして、一番手っ取り早いものは時間で勝負することではないでしょうか。なぜなら製品やサービスの品質向上のための努力はやり尽くした感が強いですものね。時間は企業価値の向上のために非常に重要な要素になると考えます。それに加えて、企業力の向上という面から見れば、社員は単純作業にかかる時間を短縮できる分、より生産的、創造的な業務に時間をあてることができます。
もうひとつは社員のチームワークが発揮できる環境を構築できる点。
共同作業を可能にするワークフローの導入によって、部門を超えた社員同士のコミュニケーションが取りやすい環境が構築できます。ワークフローは縦割り組織の弊害を劇的に改善するソリューションだと思います。組織のフラット化によって縦横のコミュニケーションがスムースになり、複数の個人/部門による意思決定が早くなります。
さて、ワークフロー構築において、どうしても触れなければならないことに「内部統制報告制度」(日本版SOX法)があります。各企業では管理体制の強化に努める必要に追われていますが、この対応のひとつとしてもワークフローシステムの導入が注目されています。
次回は、内部統制から見たワークフローについて考え、ワークフロー導入の本当の意味をもう少し考察したいと思います。