情報発信
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こんにちは、ヒューマンセントリックデザインセンター(HCD)の方です。8月の記事(SAP先端デジタルイノベーションシステムLeonardoとは?デザイン思考との関係性は?)はご覧になりましたか。如何でしたか。
今月は、デザイン思考(デザインシンキング)と関係性の深いイノベーションの話をさせて頂きます。
シリコンバレーでは、IT企業、特にイベントなどの場でStartup企業の方々と会う機会がよくあります。その方々と話すと「イノベーション」という言葉をよく耳にしました。私も「イノベーション」という言葉はよく使います。ふとある日、私はイノベーションの意味・定義を考えてみたら、正確には答えられませんでした。イノベーションとは一体何でしょうか。新しいアイデアのことでしょうか。イノベーションをウィキペディアで調べると、下記のように定義されています。
「イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明を指すと誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。」(ウィキペディア)
かなり抽象的な言葉ですが、「Understanding Innovation」(著者:Kenneth B. Kahn)という記事に具体的な内容が書かれていたので共有します。
Kenneth B. Kahn氏によると、イノベーションとは「イノベーションアウトカム(成果)」、「イノベーションプロセス」と「イノベーションマインドセット」三つの要素から成り立つということです。「イノベーションアウトカム(成果)」とは、どのような成果(成功)が出たかが重要です。「イノベーションプロセス」とは、成果(成功)が出るための方法/過程/手法のことです。「イノベーションマインドセット」とは、会社や組織に所属するメンバーの考え方、会社全体が作り出す文化と雰囲気のことです。
では、この三つの要素はどのようなものか見てみたいと思います(図参照)。
既存製品に変化を与えることや全く新しい製品、サービスを生み出すことです。
範囲や程度は小さな変化から根本的な変化までです。
製品コストダウン、機能改善、製品ラインの拡張、組織改編、マネージメントと仕事環境の変化などはイノベーションの成果であり、また、新しいマーケットの開拓、新しいビジネスモデルの創出もイノベーションの成果です。
イノベーションの成果が出るための方法/過程として、イノベーションアウトカムを支援し、その再現性を高めます。
ここで、二つの方法を紹介します。
「Discover」、「Develop」、「Deliver」三つのフェーズを定義しています。
「Discover」フェーズでは、会社や組織の潜在的なビジネスチャンスを表面化させます。
「Develop」フェーズでは、技術可能性を検証しながら製品を開発します。
「Deliver」フェーズでは、開発した製品を市場に投入します。
「アイデアの生成」、「事前技術評価」、「ビジネスケース準備」、「開発とテスト」、「市場への投入」五つのフェーズを定義しています。
会社や組織に所属するメンバーの考え方、会社全体が作り出す文化と雰囲気のことで、特に習慣的で持続的な状態のことを表します。
個人や組織がイノベーションをより深く理解しているほど、イノベーションが成功する傾向にあります。
直接的に関係がない分野、問題、アイデアを関連付けたり、部門間のコミュニケーションをとったり、人間中心で問題を考えたりすることを習慣として行動するのは、組織全体の雰囲気作りに役立ちます。
以上がイノベーションの要素になります。イノベーションについて少しでもご理解頂けましたか。
次回の記事では、デザイン思考とイノベーションの関わり、デザイン思考の五つのフェーズについて、紹介させて頂きますので、是非ご覧ください!
See you next time!