情報発信
情報発信
アセスメントでは、大きく分けて「標準機能」と「アドオンプログラム」の調査を行います。
標準機能の調査では、SAP標準のアセスメントツール「Maintenance Planner」「Readiness Check」「SI-Checks」で、アドオン製品や業種別ソリューションの継続利用可否、ビジネスファンクションやアプリケーションコンポーネントの現行機の設定状況から判断して影響を受ける箇所が検出できました。これに加えて、影響する理由と、影響レベルをコンサルタントによる診断を行うことで修正方法を明確にできます。
アドオンプログラムの調査では、まず、現行機のアドオンプログラムの利用状況を可視化するためにSAP標準レポートを使用して、使用していないアドオンプログラムを洗い出しました。
なお、現行機はNon-UnicodeのSAP ECC 6.0であったため、SAP S/4HANA化に必須となるUnicodeへの変換が必要でした。従来、Unicode対応に関しては、実現化のなかで対象機能を全てテストし、その結果を元に修正箇所を特定、対応することがほとんどでしたので、実施には膨大な工数が必要でしたが、SAP S/4HANA移行サービスMOAのUnicode修正調査では、アセスメントにてユニコード化に必要な修正箇所を特定して対応案と修正工数が算出できるので、実現化におけるテスト工数の大幅な削減が可能となります。
その後、SAP標準ツール「Readiness Check」「SCI」を使用して、SAP S/4HANAでは廃止となる機能や構造変更によるアドオンプログラムの修正箇所を特定しました。
SAP S/4HANA移行サービスMOAのアセスメント結果は、SAP S/4HANA導入経験のあるコンサルタントによって報告書が作成され、移行の予算計画に必要なプロジェクト費用算出のための正確な情報が、わずか3週間という短期間で提出されました。
アセスメントの後続フェーズとして、いよいよSAP S/4HANA移行プロジェクトが開始となります。テクニカルマイグレーション(現行機能の踏襲)を前提としたプロジェクトでは、「準備」、「要件定義」、「実現化」、「移行」フェーズの順で進み、本稼働を迎えますが、SAP S/4HANA移行サービスMOAのアセスメントの報告書を活用することで、各フェーズの工数を短縮できます。
「準備」フェーズでは、システム運用方針やインフラ全体計画など、プロジェクトおよび本稼動後の大枠が決定されます。システム制約や要望をヒアリングした上で、ダウンタイム軽減の措置や、オンプレミスからクラウド環境への切り替え等が提案されます。「要件定義」フェーズでは、アセスメントで判明した現行業務からの変更が必要になる箇所について、システム要件が検討されます。この中で、修正対象となるアドオンプログラムと具体的な修正方法を決定していきます。「実現化」フェーズでは、移行前に必要となるシステム設定や、アドオンプログラムの最適化が実施されます。「移行」フェーズでは、前フェーズで定めた移行方針やテスト計画のもと、システムテストや移行リハーサル、本番移行が実施されます。本稼働直前に、環境移行と移行後のシステム設定を行うことで切り替えが完了します。このように進めることで、アセスメントから本稼働までを4カ月という短期間で実現することが可能となります。
とはいえ、上述したように、SAP S/4HANA化に向けた影響調査には、アプリケーション、BASIS、インフラ領域が、それぞれ複雑に関係し合っています。ユーザ企業のみで、その多岐にわたる情報を収集するには直面する課題が多く、長くSAP ERPを利用しているユーザでは、アップグレードプロジェクトの経験を持つ技術者が減少している現実もあります。SAPパートナーでも、一部の領域、一部のフェーズに特化してサービス展開している場合はお客様の課題に対して構想から実現までを担うことは困難です。
SAP S/4HANA移行サービスMOAのアセスメント(事前検証)サービスでは、膨大な情報を、ツールと多数の現場経験を持つコンサルタントの知識から、的確に切り分けていくことで必要な情報を短期間・低コストで提供しています。また、後続のマイグレーション(環境移行)、オプティマイゼーション(移行後の最適化)のサービスを一気通貫で提供することで、お客様の実現したい理想に対して、正しく確実にアプローチします。
「SAP S/4HANA化を検討したいが、なにから始めればよいか分からない」「予算取りのためのSAP S/4HANA移行にかかる概算費用が欲しい」といった要望のある場合は、まずは、短期間かつ低コストで実施可能なSAP S/4HANA移行サービスMOAのアセスメントサービスで第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。
SAP S/4HANA移行サービスMOAは、SAP S/4HANA移行と利活用をご支援するサービスとして、2022年7月にリニューアルしました。
SAP ERP6.0ユーザの選択肢と実行プラン・各アセスメント・各プロジェクト実施方式
などを記載した詳細資料や事例資料をダウンロードして頂けます。