情報発信
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皆さん、こんにちは、シリコンバレーのITやデザイン思考について情報発信している、ヒューマンセントリックデザインセンター(HCD)の方です。
ご存知のように、デザイン思考(デザインシンキング)プロセスはスタンフォード大学d.schoolの定義によりますと、5つのフェーズがあります。
「①共感(Empathize)」「②問題定義(Define)」「③発想(Ideate)」「④プロトタイプ(Prototype)」と「⑤テスト(Test)」です。
今回の記事では、「②問題定義(Define)」フェーズで、どのように参加者の個人のインサイトとグループの課題定義作業のバランスを取れば良いかについて、私の考えを共有させて頂きます。
一般的なデザイン思考ワークショップの流れは、グループメンバーが「①共感(Empathize)」フェーズで得た情報を共有し合い、そしてカテゴリ化(グルーピング)の上、グループでフォーカスする着眼点(Point of View)を決め、解決したい問題を定義するとなっています。
確かにグループワークの方向を決めなくてはいけないですが、問題は、このタイミングで着眼点を急に1つに収束してしまうと、参加者各自がユーザインタビューと観察で得た大切な気づきを逃してしまうことです。
これらの気づきはなぜ大切かと言うと、参加者が個人の経験と持っているバックグラウンドによって多様な観点がその中に含まれているし、しかも最初の直感で一回しか得られないものも多いからです。
改善案として、従来のグループの問題定義作業を後回しして、まず、参加者が個人で一番気になったこととそれにフォーカスしたい理由をグループに共有し合い、グループからの質問を受けて、個別でインサイトや課題を深堀していくとの進み方が良いかと思います。
これで、ユーザ(顧客)の真の課題に迫っていく可能性を高めることができると思います。
勿論、後続の作業として、課題を全部回せるような該当のプランと管理が必要です。
デザイン思考ワークショップの後に、よく参加者に「一日どうでしたか?一番印象的なところはどこですか」と聞いていました。
意外に一番多い感想は「何よりも、このようなエンドユーザの気持ちを共感してみながら、自分から問題を見つけて、ユーザの課題を考えてみるのは貴重な体験でした。自分が大きい組織にいるので、今までの仕事の中に、お願いされることばかりを実現してきました。」との答えでした。
ワークショップの参加者が最初の「面白いな」「へ?それはなぜか?」「もうちょっと知りたい」「ユーザが本当に困っていることは何?」などのモチベーションが良い課題設定を極める重要なポイントだと思います。
良い進み方をデザインすることで、参加者の個人のインサイトとグループの課題定義作業のバランスをとれるようにしたいと思います。
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