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【SAPデータ連携】株式会社NaITO様:SAP S/4HANA導入のために「ConnectPlusGT」を採用

 ~SAP S/4HANA導入のためにSAPデータ連携ツール「ConnectPlusGT」を採用~ 
 高品質なデータ項目定義書を作成し76本のインターフェースを新規開発 

切削工具や計測機器、工作機械など機械工具の専門商社として、さまざまな商品を国内外の事業パートナーに提供し、製造業の発展を支え続ける株式会社NaITO。DXの推進に向けて、オフコンベースの基幹システムからSAP S/4HANA®へのリプレースを決断した同社は、新たな基幹システムと社内外のシステムのデータ連携基盤として「ConnectPlusGT」を採用。クレスコ・イー・ソリューションの支援を通じて作成した高品質なデータ項目定義書をもとに、76本のインターフェースを新規開発し、1日で数万件ものレコードを処理する新たな基幹システムの安定稼働を実現している。

株式会社NaITO

創業:1945年12月
資本金:22億9,100万円
売上高:444億5,700万円(2023年2月期)
従業員数:333名(連結。2023年2月28日現在)
所在地:東京都台東区東上野5-1-5 日新上野ビル3階
事業内容:切削工具、計測、産業機器、工作機械などの販売

【 課 題 】

❓ SAP S/4HANAの導入と並行して新たなインターフェース開発が必須に
❓ 既存のインターフェースが100数十本にまで増え、各仕様も不明確
❓ オフコン経由でしかSAP S/4HANAと連携できないインターフェースが存在

【 解 決 】

✅ パッケージ製品であるConnectPlusGTのメリット、またSAP S/4HANAとデータ連携の両方の知見を備えたクレスコ・イー・ソリューションの支援によってインターフェースを全面刷新
✅ データ項目定義書を作成することで、高品質なインターフェースの構築、エラー発生時の管理の効率化を実現
✅ 豊富なプロジェクト経験に基づいて、オフコン経由の連携を一時的に継続することでスケジュールの遅延を回避

株式会社NaITOデータ連携事例

SAP S/4HANAへのリプレースに向けて
新たなEAIツールの導入を検討

 さまざまな機械工具を取り扱う専門商社であるNaITOのビジネスの最大のミッションは、メーカーと販売店をつなぎ、エンドユーザーのもとへ商品をスムーズに届けることで、モノづくりの現場を支え続けることにある。こうした同社が2021年度にスタートした「中期経営計画 Achieve2025」で重点課題の1つとして掲げているのが、デジタル技術を活用した受発注業務や物流業務などの自動化による生産性の向上だ。

 そのための施策の一環として、同社は20年近くにわたって運用してきたオフコン(AS/400)ベースの基幹システムを刷新し、2021年6月からSAP S/4HANA(FI/ SD/MMモジュール)の本稼働を開始した。この目的について、管理部 デジタル企画室長の山内宝氏は次のように説明する。
「経済産業省が2018年に発表したレポートで警鐘を鳴らした『2025年の崖』からもわかるように、老朽化したレガシーシステムはDXの足かせとなります。当社においてもIT人材の不足などの課題が顕著になってきたことから、基幹システムの刷新は避けられない状況でした」

 SAP S/4HANAへのリプレースにあたって大きな課題となったのが、社内外のシステムとのデータ連携を支えるインターフェースだ。同社では旧基幹システムを構築して以来、仕入先と受発注データを交換するEDIシステム、販売店からの注文を受け付けるWebシステム(NICE-NET)の構築といった自動連携を進める中で、インターフェースが100数十本にまで増え、各仕様も不明確になっていた。そこで決断したのが、新たなEAIツールの導入によるインターフェースの全面刷新だった。
「既存のインターフェースの棚卸しをする中で、このままSAP S/4HANAへ移行するのは困難であることが明らかになりました。そこで新たなEAIツールを活用して、すべてのインターフェースを新規開発することにしました」(山内氏)


パッケージならではの透明性や
導入支援体制を評価し
ConnectPlusGTを採用

 新たなEAIツールの選定に着手したNaITOは、2019年7月のSAPジャパンの年次カンファレンスで展示されていた「ConnectPlusGT」に興味を持ち、クレスコ・イー・ソリューションに提案を打診。検討の結果、パッケージ製品ならではの仕様の透明性や保守・運用のしやすさ、また導入支援体制を評価して採用を決定した。
「SAP専業ベンダーとして豊富な実績を持つクレスコ・イー・ソリューションは、SAP S/4HANAとデータ連携のどちらにおいても高度な知見を備えています。提案も迅速で、初回の打ち合わせから2週間後にはConnectPlusGTを使ったインターフェース開発の手法やスケジュールなどが具体的に提示され、安心して任せられると判断しました」(山内氏)

 開発プロジェクトは2019年11月にスタート。インターフェースの一覧作成、基本方針の策定、データ項目定義書の作成、ConnectPlusGTによる定義体の作成、開発・テストなどを経て、SAP S/4HANAと同じタイミングの2021年6月から稼働を開始した。

 プロジェクトの過程では、前半のインターフェースの一覧作成、基本方針の策定、データ項目定義書の作成は、SAP S/4HANAの導入を成功に導く上でも重要なフェーズとなった。まず一覧作成の工程において、旧基幹システムで100数十本あったインターフェースを整理して、76本まで絞り込んでいったのが最初の山場だった。
「例えば、ある取引先から在庫データを取得し、当社の基幹システムに反映させるインターフェースがあった場合、それが本当に必要なのかといったことを1つずつ確認していきました。いつ作られたかが不明で、取引先の担当者に聞いてもわからないインターフェースもあり、こうした選別作業を約3カ月かけて行いました」(山内氏)

 もう1つの山場は、データ項目定義書の作成だ。データ項目定義書の品質は、本稼働後の保守運用にも影響を及ぼすため、プロトコルやデータフォーマットを丁寧に確認しながら作成していった。
「クレスコ・イー・ソリューションに作成を支援いただいたデータ項目定義書は非常に品質が高く、現在もインターフェースを保守する上で重要な資産となっています」(山内氏)

 一方、インターフェースの中には旧基幹システムのオフコン経由でしかSAP S/4HANAと連携できないものもあった。こうしたケースでは、開発スケジュールを優先するためにオフコンとの連携を一時的に継続することを決定し、ConnectPlusGTとの役割分担を行った。

 さらに、今回は定時のスケジュール実行、一定間隔のタイマー実行といったインターフェースのジョブ制御を、統合システム運用管理ツール(JP1)で一元管理することにしたため、ここでもクレスコ・イー・ソリューションの支援を通じて関係者間の調整をしながら、新たな仕組みを作り上げていった。

 プロジェクトの成功要因について、山内氏は次のように振り返る。
「コロナ禍の影響もあり、プロジェクトは主にオンラインで進めましたが、私も含めて地方拠点の業務に精通した人間が、その実態を踏まえてインターフェース開発に取り組めたことは大きかったと思います。また、SAPのデータ連携を熟知するクレスコ・イー・ソリューションのコンサルタントから多くの支援をいただけたことも成功要因の1つだと思います」


1日あたり数万件のレコードを処理
SAP S/4HANAの安定運用に貢献

 ConnectPlusGTの本稼働後、約1年程度はいくつかのインターフェースエラーが発生したが、クレスコ・イー・ソリューションのコンサルタントと原因を分析しながら、対応を内製化していった。本稼働から約2年半が経過した2024年2月現在は、SAP S/4HANA本体とのデータ連携や受発注・在庫照会系の各種システムとのデータ連携で1日あたり数万件ものレコードの処理を実行しているが、エラーはほとんど発生することなく安定運用が実現している。

 エラーが発生した際も、データ項目が明確に定義され仕様もすべてオープンになっているため原因を容易に特定でき、データ再送の仕組みも備わっていることから、管理の効率化が実現している。旧基幹システムのときは1人にかかる負担が大きく、エラーが起こった場合でもその担当者しかできないという属人化したシステムから脱却できたことは大きな成果といえる。


受発注におけるEDI化率を高め
さらなる業務の自動化、効率化を推進

 今後について、インターフェースの初期開発時に残したオフコン経由の連携は2024年の夏頃を目途にクローズする予定で、これによりデータ連携はすべてConnectPlusGTに一元化される。また、現在運用しているインターフェースについても、必要に応じて追加開発や改修を予定している。

 インターフェースに関する次の取り組みは、得意先の販売店との受発注処理におけるEDI化率を高めていくことだ。現在も得意先とはWeb受注の他、FAX、メール、電話などアナログな手法でのやりとりも多いため、EDIシステムで得意先の販売管理システムと直接連携する仕組みを構築し、発注データを自動的に取得して在庫を引き当てることで、さらに業務を効率化するという狙いがある。
「インターフェースの追加・改修やEDIシステムの構築では、やはりクレスコ・イー・ソリューションの専門的な知見が不可欠です。引き続き当社のDXの推進をご支援いただければと考えています」(山内氏)

 社内外のシステムの柔軟なデータ連携は、ビジネスの変化に対応し、顧客や取引先との信頼関係を維持する上でも重要な課題である。こうしたニーズに応えるConnectPlusGTは、今後もNaITOのビジネスの成長に大きな貢献を果たしていくはずだ。


株式会社NaITO











株式会社NaITO
管理部 デジタル企画室長 山内 宝 氏

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