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S/4の導入・移行

【SAP S/4HANA新規導入】NRS株式会社様:管理会計・グループ会計の強化に向け会計システムを刷新、業務効率向上や迅速な情報提供を実現

~管理会計・グループ会計の強化に向けて会計システムを刷新~
業務効率の向上や迅速な情報提供を実現

化学品・危険物に特化した物流企業として、グローバルにビジネスを展開するNRS株式会社。同社は管理会計・グループ会計の強化に向けて、会計システムの全面刷新を決断。クレスコ・イー・ソリューションの提案を受けて、SAP S/4HANAⓇ CloudおよびSAPⓇ Analytics Cloudを採用した。この導入により、業務プロセスが標準化・自動化され、業務効率の向上が実現。また、予実分析が自動化されたことで、業務部門に向けた迅速な情報提供が可能になった。今後、同社は導入で実現した統合マスタを活用し、全業務システムをつなぐ分析基盤の構築を目指していく方針だ。

設立:1946年12月13日
資本金:20億円
売上高:283億円(2022年9月期実績)
従業員数:1,104名(2022年9月末日時点、海外現地法人含む)
所在地:東京都千代田区神田錦町3-7-1
事業内容:倉庫、通関、国際輸送、貨物自動車運送、貨物自動車利用運送、
鉄道貨物利用運送、海上貨物利用運送、航空貨物利用運送、輸送容器のリース・
レンタル・販売、3PL(サード・パーティー・ロジスティクス サービス)、物流情報システムの開発等

【 課 題 】

❎ グループ各社で勘定科目などのマスタコード体系がバラバラ、BIツールとも連携できていない
❎ 顧客別の粗利を正しく把握する仕組みがなく、効果的なアクションに繋げられない
❎ 予実管理がExcelによる手作業のため、リアルタイム性がなくギャップ要因も不明確

【 解 決 】

✅ マスタコードの統一と統合マスタを実現し、月次決算と連結決算の早期化で経営判断が迅速化
✅ 非財務データを含めた顧客別数値情報の可視化を実現し、根拠の上で顧客との交渉が可能に
✅ 予実分析の自動化を実現し、経理部門が集計作業から解放され業務部門への情報提供が迅速化

管理会計とグループ会計の強化に向けて
会計システムの全面刷新を決断

化学品・危険物物流のリーディングカンパニーとして、国内外における危険物の輸送や保管、輸送容器のリース・販売に至るまで、多岐にわたって事業を展開しているNRS。現在は、2021年10月を初年度とする中期経営計画の中でDX専門プロジェクト「Above Beyond Project」を推進するなど、DXにも積極的に取り組んでいる。

2022年にはそうした施策のひとつとして、デジタルを用いて化学メーカーや商社に新たな価値を提供するデジタルサービス「X-Track」をリリース。このサービスは、物流容器のトレーシングや在庫の可視化をし、サプライチェーンの効率化を支援するツールだ。デジタルデザイン統括部 統括部長の辻氏は「これまで各社で管理していたデータをプラットフォームにより管理することで、メーカー・商社・物流会社などサプライチェーンのさまざまな関係者全ての効率化を計ることができます」とそのメリットを強調する。 今回のグローバル会計システムの刷新も、Above Beyond Projectの一環として立ち上げたものだ。その主な目的としては、管理会計の強化があった。

「これまでは顧客別の粗利を正しく把握する仕組みがなく、効果的なアクションにつなげることができませんでした。予実管理もExcelによる手作業がベースのためリアルタイム性がなく、ギャップ要因も明確にわかりませんでした。そこでシステムを刷新し、これらの課題の解決を目指すことにしたのです」(辻氏)

加えて、グループ会計の強化というねらいもあった。これまでグループ各社は同一の会計システムを利用してきたものの、勘定科目、組織、取引先などのマスタコード体系がバラバラで、横串で通して見るためには手作業による複雑な加工が必要だった。また、会計システムとBIツールのデータ連携もできず、多角的な分析ができなかったという。デジタルデザイン統括部 DX推進部 デジタルソリューション課 課長の須賀氏は「こうした課題を解決するため、グループ全体の会計業務プロセスを標準化し、かつ連携を自動化することで、データ利活用の高度化を図ることにしました」と語る。

なお、既存のシステムはアドオンが多いために不安定で、保守にかかるコストも大きかった。さらに、連結会計に必要なデータを集めるのにも時間がかかり、多大な業務負荷がかかっていた。そこで同社は会計システムの全面刷新を決断。新システムの導入プロジェクトをスタートさせた。

化学業界におけるマーケットシェアなどを評価
リスク管理を徹底し、予定のスケジュール・予算で導入完了

NRSは、業務をシステムに合わせる「Fit to Standard」を基本方針に、ERPパッケージを検討。2製品を比較し、その中からクレスコ・イー・ソリューションが提案したSAP S/4HANA Cloud(財務会計/管理会計)およびSAP Analytics Cloud(BIツール)の導入を決めた。その評価のポイントは、コスト、安定性、保守、そして化学業界におけるマーケットシェアの高さにあったという。

「取引先の多くがSAP製品を使っていることから、企業間のデータ連携が容易な点を評価しました。クレスコ・イー・ソリューションとの取引は今回が初めてですが、担当コンサルタントの人柄、技術力、プロジェクト推進力なども評価し、支援をお願いすることにしました」(辻氏)

導入作業は2020年5月に開始。まずは国内拠点への導入を優先し、2021年10月に国内拠点10社で本稼働をスタートさせた。海外拠点への導入については、国内の導入と並行しながら要件定義を実施して導入範囲や国固有要件の検討を行い、2021年10月から本格的な開発を開始。グループ共通基盤をロールアウトする形で開発期間の短縮を図り、2022年10月に海外拠点12社で本稼働をスタートさせている。経理部 連結決算課の李氏は「海外拠点のタイだけは税制の問題でローカル対応が必要でしたが、全体の8割を横展開で進めることができました」と語る。

こうした過程においては、本番切り替え前にリハーサルを3回実施したり、想定外の事態に備えて緊急対応計画を策定したりするなど、リスク管理を徹底した。結果、当初のスケジュール通り、かつ予算内で導入を完了することができたという。プロジェクト全体について須賀氏は、「当社のメンバーはSAPシステムの導入が初めての者ばかりでしたが、クレスコ・イー・ソリューションのコンサルタントに先々のイベントに準備すべきものを提示していただき、非常に助かりました。コロナ禍によりプロジェクトをオンラインで進めることになりましたが、時に叱咤激励をいただくなど、コミュニケーションもうまく取ることができました」と振り返る。

なお、今回のプロジェクトで最も苦労した点がFit to Standardの徹底だった。会計システムの全面刷新に伴い、支払や消込などの業務フローが変更になるところも多く、現場からの反対の声も少なくなかったという。

「そこで、現場にはFit to Standardの意義を丁寧に説明しつつ、標準機能でカバーできるよう工夫を行いました」(李氏)

また、新旧システムの違いから来る落とし込みや、SAPシステム独自の組織構造の理解や勘定科目の統一化などでも苦労があった。 「ここでも現場からの苦情がありましたが、会計の観点から相互に会話を重ね、説得しながら合意を形成していきました」(李氏)

迅速なデータ分析、経営判断のスピード化が実現
業務部門への速やかな情報提供も可能に

NRSがSAP S/4HANA Cloudを導入したことで、グループ各社の業務プロセスが標準化され、業務効率の向上が実現した。
「まず、月次決算の締めが従来の8営業日から7営業日へと短縮されました。また、連結決算が早期化され、経営層への報告も早くなりました。これにより、迅速なデータ分析が可能となり、経営判断のスピード化が実現しています」(李氏)

また、SAP Analytics Cloudの導入によって予実分析が自動化されたことで、経理部門は集計作業から解放され、業務部門に向けて速やかに情報を提供できるようになった。

「業務部門からすれば、これまでは締めが終わって数日待たなければ予実データを見られませんでした。しかし今では、経理部門を介することなくタイムリーに見ることができます。またフォーマットが統一されたことで、担当者による予実作成のクセがなくなり、より見やすくなりました」(須賀氏)

管理会計の観点では、国内外における顧客別・製品別・地域セグメント別の収支が把握できるようになったことも大きい。
「顧客別の粗利が非財務データも含め数値情報として可視化されたため、現場の営業担当者が自分の顧客に対し、原価の数値を根拠に値上げの交渉をするといったアクションが打てるようになりました」(辻氏)

導入で実現した統合マスタを活用し
全業務システムをつなぐ分析基盤の構築へ

今後についてNRSでは、勘定科目などのマスタが統一されたメリットを活かし、会計システム以外の物流システムや倉庫管理システム、通関システムなどの非財務系システムをつなぎ、同一のデータを利活用しながら経営にフィードバックすることを構想している。

「2023年4月より業務システムの刷新プロジェクトを開始しました。今後3年半かけて国内の全システムをつなげる予定ですが、そのベースになっているのが今回のプロジェクトで実現した統合マスタです。将来的には、財務データや非財務データ、外部データなどの情報ソースをピックアップしながら、AIなども活用した分析基盤を経営部門、管理部門、現場部門に提供していきます」(辻氏)

最終的に同社は、データから質の良い課題を発見し、会社を成長させる発想を全社員が持つ構想を描いている。今後も危険物物流のトップリーダーとして、新たな技術を取り込みながら進化を続けていくことだろう。

上記は一部抜粋して掲載しています。本事例に該当するサービスや事例など、詳しくは、資料「SAP S/4HANA短期導入 RESTA」をダウンロードしてご確認ください。